昨年も年頭から韓国ロッテにまつわる色々な報道が出ていましたが、中でも「ロッテグループ、5年内にトップ20から外れ、忘れられた企業になりかねない」という衝撃的な見出しの記事が出ていて、ロッテは未来をつくる経営を行ってこなかったという指摘が報じられていたことを昨年2月に紹介しました。
残念ながら、韓国では、この指摘がより早まって現実のものになりつつあることを示すような韓国ロッテグループの厳しい状況が今年に入ってから報じられています。
特に気になったのはこちらの2つのニュースです。
「LG、LGエンソル上場で時価総額2位に… ロッテは10位圏外」
LGグループがLGエネルギーソリューション上場に支えられ、時価総額2位に上がると見込まれる。一方、ロッテグループは今年の時価総額が2018年より9兆ウォン以上減り、グループランキング10位圏外に押された。
(中略)
ロッテグループは30大グループの中で時価総額の減少が目立った。ロッテグループは10社の上場系列会社の時価総額が2018年28兆5000億ウォンから今年19兆2630億ウォンで9兆ウォン以上減り、グループランキングも8位から12位に押された。
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「法人税の納付も大変だ」… ホテルロッテ、保有株式供託
ホテルロッテが納税担保として保有株式を提供した。法人税の納付も難しい状況だというのだが、ホテルロッテはパンデミック長期化で、2年連続経営実績が低調だった。
25日、ホテルロッテによると、同社は今月ロッテショッピング、ロッテ七星飲料保有株式の一部を裁判所に納税担保として提供した。株式を預けた当日終値を基準に約1800億ウォン規模だ。
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5大財閥という括りで語られることの多い韓国ロッテですが、上場しているグループ企業の時価総額の合計では、ここ数年ですでに10位圏外に落ち、また、グループの中核的企業のホテルロッテにおいては法人税の支払いを猶予するためにグループ会社の株式を担保提供する状況になっているというものです。
未曾有のコロナ禍による影響もあるとはいえ、百貨店やホテルなど同じようにコロナ禍が直撃した他の企業グループが健闘していたり、他の多くの財閥企業の時価総額が上昇している状況からすれば、経営の責任であることは明白だと思われます。
その一方、こうした状況に対して、経営トップが責任を取ることなく部下が刷新され、その埋め合わせで外部人材に頼ったり、数年前に変えた組織をまた変更するなど、いまだ有効な対策を講じることができていないことが強く懸念されます。