ロッテの経営正常化を実現するためには経営陣の交代が必要
2021.06.15

今年も6月になり、月末近くにはロッテホールディングスの定時株主総会を迎えようとしています。

 

先般お知らせしましたとおり、今年の定時株主総会に向けて、最大株主である光潤社からはロッテの経営正常化のための株主提案を提出しています。

一つは、取締役選任議案。もう一つは、有罪判決を受けるような不適切な人物がロッテホールディングスの取締役に就任することを防止するための定款変更議案です。(詳しくはプレスリリースをご覧ください。)

 

ご承知のとおり、重光昭夫は、2019年10月に、韓国で贈賄罪・背任罪など複数の罪状に関して有罪判決が確定しています。私的な犯罪行為や軽微な犯罪行為などではありません。もちろんそれらも決して許されるものではありませんが、昭夫の有罪判決の内容は、ロッテグループの業務に関連するものであり、ロッテグループとして重く受け止め、然るべき対応をとるべきであると考えています。

 

それにもかかわらず、昭夫は、現在もなお、ロッテホールディングスの代表取締役に留まり続けています。そして、それを取締役会が許しているという現状もあります。

 

これは本当に理解不能なもので、ロッテグループの社員や関係者の方々も誰しも内心、大いに疑問に思っていることでしょう。

この件について、ロッテグループを支える社員たちが、その家族や子供たちから聞かれたときに一体何と答えればいいのか。大学を卒業してロッテグループに入社してくれる新入社員たちは、その親御さんに対してどのように説明すればいいのか。安心・安全が求められる食品・菓子メーカーのトップとしてなぜこんなことが許されるのかなど、疑問は尽きません。

 

このような信じがたい状況が改善されない大きな原因の一つとして、当然、取締役会による監督機能が働かず、自浄作用が機能していないということが挙げられます。さらに、もう一つの原因として、従業員持株会が、ロッテホールディングスの株式の27%を超える株式を保有しているにもかかわらず、持株会員の完全に自由な意思表示・議決権行使が許されていないという構造的問題もあります。

 

経営権問題が発生した2015年以降、私はロッテホールディングスの定時・臨時の全ての株主総会に参加・出席していますが、従業員持株会の議決権行使を行う理事長は一度たりとも株主総会の場に来たことはありません。これまでの従業員持株会の議決権行使の様子を見ていると、常に、現経営陣による会社提案に賛成するように事前に委任状を提出することが求められているようであり、従業員持株会の理事長が株主総会の場に出席して万が一にも現経営陣の意図と異なる議決権行使がされることのないようになっているようです。この様子を見て、私は、ロッテホールディングスが、株主たる従業員たちの自由な意思表示が許されない支配構造になっており、それだけ従業員のことを真に信頼していないという証左でもあると強く感じています。

 

ロッテホールディングスの現経営陣が株主の自由な意思によって信任され続けているなどという表面的な理屈が全く空虚であると私が信じていることの根拠がここにあります。

 

近年、日本ロッテの業績ですら社内で十分に知らされることがなくなったという話が聞こえてきています。当然、韓国ロッテの業績も日本の一般社員には全く知らされていません。ここ数年、ロッテホールディングスでは毎年のように2,000億円規模の特別損失が発生し、社員たちの努力でコツコツと積み上げた利益が消し飛ぶようなことが繰り返されています。これは当然、経営陣の経営判断に帰すべき責任であると考えます。

 

正常なコーポレート・ガバナンスやコンプライアンス体制が機能せず、株主たる従業員持株会の自由な議決権行使もできず、日本と韓国での業績悪化が極めて深刻な状況になっている中で社内に十分な情報開示もされていません。経営の混沌度合いは増している状況です。

 

ロッテグループがこうした状況から脱却し、社員・取引先の方々などステークホルダーの皆様をはじめ、社会からの信頼を取り戻すためには、抜本的な経営刷新・建て直しが不可欠です。以上の理由から、今年の定時株主総会に向けて上記議案を提案いたしました。