6月26日に開催されたロッテホールディングスの定時株主総会のご報告その5です。
ロッテホールディングスの代表取締役である重光昭夫は、周知のとおり、韓国において子会社の業務に絡んで背任罪・贈賄罪など複数の罪状で有罪判決を受けましたが、それにもかかわらず、ロッテホールディングスの代表取締役にとどまるなど理解不能な状況にあります。
ロッテホールディングスは、今回の定時株主総会でそのような人物を取締役として再任させる会社提案議案を出していました。
正常なコーポレート・ガバナンスが機能する会社であれば、そもそもこのような会社提案が取締役会で通るはずもありませんが、ロッテホールディングスでは不幸にして株主総会に諮られ、第2位株主の従業員持株会の委任状による議決権行使もあり、可決されました。
株主総会の場で、再任議案についてどのような説明がなされたのか(また、合理的な説明といえるのか)、多くのロッテグループ役職員や関係者の方もご関心がおありだと思いますので、今回は、その場での説明内容の趣旨をお伝えします。
経営権問題が発生し、ロッテグループの創業者をその意に反して退任させて以降、連結ベースでの売上高が2兆円近くも減少し、設立以来初となる1,000億円超の赤字に転落させたという事実や、有罪判決を受けて以降、記者会見などでの説明責任を全く果たさず、誰も責任を取らず、また、再発防止策なども公表していないこと等を考え合わせると、如何に空虚な説明であるかがお分かりになると思います。
- 重光昭夫氏について、有罪判決やその後の職務執行状況を踏まえて、取締役会で慎重に審議を行った。その結果、有罪判決が確定したことを踏まえてもなお、ロッテグループの企業価値向上にとって引き続き必要不可欠で、ロッテグループの先頭に立ってその手腕をより一層発揮すべきだと判断した。
- 創業者重光武雄氏が築いた事業基盤・企業精神を基礎として、ロッテグループをより発展、進化させるためには、重光武雄氏の下で薫陶を受け、社内外のステークホルダーにとってもロッテを象徴する余人をもって替え難いリーダーシップが必要。
- 韓国ロッテグループの経営に精通しており、企業価値の向上を目指す観点から重光昭夫氏以上に知見、経験を有している人物が存在しない。
- 有罪が確定された各犯罪事実について、ロッテグループとして、最終的に被った金銭的損害、レピュテーションへの影響、コンプライアンス委員会の設置を含めた再発防止体制の進展などを考慮した。
- 有罪判決を真摯に受け止め、ロッテグループのコンプライアンス体制構築に尽力する旨の決意を表明しており、現に再発防止も含めた対策を講じている。