韓国ロッテグループの資金調達について、厳しい状況が続いている報道がありました。
業績悪化と信用格付けの不安定な状況によって、本来、簡便的に短期資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)を使って長期資金の調達を行っていることが報じられています。
CPは基本的に1年未満の満期を持つ短期資金調達手段です。韓国ロッテグループが発行した満期が1~2年に達する長期CPは、短期的な信用を土台に事実上長期資金を調達する手法です。今回の記事でも、一部専門家は「長期CPが資本市場を歪曲する」と批判しています。
■「信用度酷寒期」···、ロッテグループが長期CPを増やす理由
2023年10月12日 聯合インフォマックス
https://news.einfomax.co.kr/news/articleView.html?idxno=4283716
- ロッテグループ各社が昨年から資金調達手段として長期コマーシャルペーパー(CP)を頻繁に活用している。昨年は、ロッテレンタル、ロッテアルミニウム、ロッテホールディングスなどが長期CPを相次いで発行した。
- 業界では、ロッテグループの業績が悪化したうえ、信用格付けが不安な状況が続き、長期CPをロッテグループの主要調達ルートとして活用していると分析している。
- CPは、理事会(※)議決と証券申告書提出などが要求される公募社債より発行手続きが比較的簡単で、いち早く資金を調達することができる。
- 同日時点では、ロッテグループのCPと短期社債などを含む短期借入金は5兆6390億ウォンと現代自動車グループ(8兆1千310億ウォン)とサムスングループ(5兆8千390億ウォン)に次ぐ3位に相当する高い水準。
- カードや証券など金融系列会社が調達した短期資金が大半を占める現代自動車グループとサムスングループを除くと、ロッテグループの短期借入金は極めて高い水準。
- 韓国企業の信用評価を行うNICE評価は、報告書を通じて「長期CPが短期等級を土台に発行される限り、長期CPに対する信用度モニタリングがきちんと作動しない余地がいくらでも存在する」として「今後、発行企業の償還能力の変化と相まって否定的な結果を生むおそれがある」と警鐘を鳴らした。
※:日本の取締役会に相当