6月26日に開催されたロッテホールディングスの定時株主総会のご報告その6です。
既にお知らせのとおり、最大株主である光潤社は、今回の定時株主総会でも、ロッテグループの経営正常化のための株主提案を提出しています。
株主総会の場において、私自身が提案株主として株主提案の理由を説明しました。その内容をこのブログでも紹介したいと思います。
重光宏之を取締役候補とする取締役選任議案の提案理由について
取締役候補者である、私重光宏之は、これまで長い間、創業者である重光武雄のそばで、その薫陶のもとロッテの経営を担ってきました。私は、重光武雄の理念である「菓子・食品メーカーとして、安心・安全な製品を提供する」というロッテの企業理念に即した経営の在り方を、身をもって学び、経験し、深く理解しています。
企業理念は、企業がどのような考え方で活動を行なっていくかの指針であり、同時に従業員がどのような気概を持って仕事に従事するかの指針でもあります。企業理念を正しく理解し、これを着実に実現していくことは、永続的に企業が発展していくために不可欠なことです。誰よりも長く重光武雄のそばで仕事をしてきた私は、この創業者の企業理念を、これからのロッテを担う若い世代に正しく伝え継いでいきたいと考えています。
また、ロッテの筆頭株主である光潤社の代表であり、また自らも株主である私は、長期的展望のもと失敗を恐れず挑戦し続ける創業以来の企業風土の会社としてロッテをより発展させるためにも、私自身がロッテの経営にあたることが必要と考えています。
日本の企業は、短期的な収益への影響や失敗による損失の責任を国内外の株主・投資家から追及されることを恐れ、思い切った挑戦ができないと言われています。他方、ロッテにおいては、私が、重要な株主として、失敗のリスクを恐れず、長期的視野に立った成長のための挑戦を行っていくことを目指しています。
従業員がそのような積極的な挑戦を行えるようにするために、私は、ロッテの経営にあたりたいと考えています。そうすることで、ロッテ社内に自由闊達な企業風土を醸成し、ロッテで働く全ての従業員がその持てる能力を十分に発揮でき、真に働きやすい環境を実現できると信じています。
また、これまでのロッテホールディングスのコンプライアンスあるいはガバナンスに関連する対応を見ていて、非常に憂慮している点があります。と申しますのは、その取締役がグループにおける役員としての職務に関連して韓国において贈賄罪・背任罪などの複数の罪状に関して有罪判決が確定したにも関わらず、ロッテグループにおいて、有罪判決を受けた当人を始めとして、誰も責任を取らず、 原因の究明や再発の防止も図られておらず、また、消費者を含む顧客、取引先といったステークホルダーへの説明責任を到底果たせていないことです。ロッテグループの企業価値の毀損を防止するため、私はロッテグループのガバナンス体制の立直し、そして社会常識に照らして一般に受け容れられる企業倫理の再構築が、急務であると強く感じています。
私の目的は、ロッテグループをこうした状況から脱却させ、真にステークホルダーの皆様をはじめ、社会からの信頼を取り戻すために、コーポレート・ガバナンスの抜本的な刷新・建て直しを行い、ロッテを発展させることにあります。