特赦では免除されない説明責任
2022.08.17

日韓両国のメディアで報じられていることもあり、ロッテ関係者をはじめとする多くの方々もご存じかと思いますが、ロッテホールディングス会長の重光昭夫が過去に背任及び贈賄の罪で有罪判決を受けた刑について韓国政府は8月15日に執行を免除する特赦を行うことが発表されています。

 

この特赦という制度の是非や今回の韓国政府の判断について論じるのは避けますが、これは、特赦という制度で特別扱いを受けたことにより有罪判決や刑の執行を免れたというだけで、むろん、経営トップが過去に業務に絡んで贈賄や背任を行った事実や、それにより有罪判決を受けたという事実を、人々の記憶から消せるものでもありません。

 

ロッテグループは、多くのお客様、従業員、取引先に支えられており、そうした方々に対して、企業としてまともな説明責任を果たさなくてよいという免罪符ではないはずです。

 

ましてや、現経営陣は株式会社ロッテを上場することで資本市場から資金調達をすることを企図しています。それにもかかわらず、経営トップの不祥事について、きちんと説明責任を果たさず、真摯に反省することもなく、再発防止策を公表してそれを励行するという姿勢も示していません。

 

一般企業や一般人では得られない特別扱いを受けたことを奇貨として、過去の不祥事がなかったことのように振る舞うことは、多くのステークホルダーを持つ企業として許されないことだと考えます。