久しぶりに韓国に戻り、様々な報道に目を通しました。
今後このブログでも紹介したいと思いますが、ロッテの経営に関するネガティブな報道が非常に増えているように感じています。特に、韓国のロッテ建設が流動性の危機に直面しているということが頻繁に取り上げられていて、その危機がグループ全体にも波及しているという内容です。
また、それとは別に、韓国での仕事の打ち合わせの中で、「またロッテがロッテした」という言葉が生まれているという話と聞きました。
本当に残念なことですが、これはポジティブな意味ではないそうです。
「古い体質の会社が新しいことをやろうとしてまた失敗した」という意味合いで使われていて、正確にはわかりませんが、この1、2年ぐらいで出てきた言い方だそうです。
古株の社員やOBOGの方々はよく知っていると思いますが、もともとロッテは、チャレンジ精神をもって新商品や新たな事業に積極的に取り組んできた会社です。ただ、創業者の重光武雄は、危険な賭けで従業員や家族を路頭に迷わすことを極度に恐れていました。
なので、外から見れば、大きな賭けに見えることも、緻密かつ徹底的に計算・準備して、ほとんどすべての経営上の大きな決断を必ず成功させるようにしてきました。
しかし、このブログでもこれまでも何度も取り上げてきたように、武雄会長が経営の実権を外されて以降は特に、創業精神がないがしろにされ、無軌道な経営や失策が続けられてきました。
例を挙げればキリがありませんが、記憶に新しいところでは、韓国でも多く報じられたように、競合と比べて出遅れていたEC領域で挽回するべく満を持して立ち上げた統合オンラインショッピングモールの「ロッテオン」の大失敗がありました。立ち上げ当初にシステム不具合が起きたり、ユーザーフレンドリーではないインターフェースで批判を受けたり、それまでのロイヤルカスタマーを裏切るようなポイントの失効が起きるなど、準備不足としか言えないようなことが起きて、目も当てられない状況でした。
こうした経営上の失策の繰り返しが、「またロッテがロッテした」という不本意な意味で使われてしまう結果につながっていることは疑いようもありません。
なぜここまで経営能力を欠如した事例が繰り返し示されているにもかかわらず、経営が刷新されないのか、現在のガバナンスが機能していないことは明らかです。